長野県の分娩施設 5年間で20施設減少
3月21日に、全国的な産科医師不足問題を考えるシンポジウム(安心してお産ができる体制作りのために)が長野市内で開かれ、金井誠・信州大学医学部産婦人科講師が、長野県産婦人科医会が行った県内の産婦人科医療供給体制の実態調査の結果を発表した。
** 以下、金井講師の発表内容の要約 **
調査は昨年、産婦人科常勤医がいる長野県内の医療機関119施設を対象に行い、107施設から回答があった。回答施設のうち分娩を取り扱っている施設は、病院35、有床診療所18の計53施設で、全体の半数程度にとどまった。分娩取扱い施設は年々減少し続けており、この1年間で8施設、過去5年間までさかのぼると20施設が中止した。
分娩施設減少の要因である産科医不足について、産科2次施設(小児科医が常勤し、2005年中に転院搬送依頼を受けたことがある)における産婦人科医師動向からみると、04年は「産休や育休」「県内で開業」などによって10人が退職、05年は「他大学の人事で県外へ異動」「結婚などにより県外に流出」などによって12人がそれぞれ退職した。さらに06年春には「他大学の人事で県外へ異動」などにより7人が退職を予定。これを合わせると3年間で29人が2次病院から離任することが見込まれ、「今後も分娩に携わる人材や施設の減少が危惧される」と金井講師は話した。
これに対し、こうした退職分の補充は02、03年に信大へ新たに入局した14人と、03~05年に県外から流入した4人と信州大の人員削減でカバーした。しかし、今後は2次病院からの離職が続いても「どこにも補充する人員がいない」(金井講師)状況。このため金井講師は、近い将来、県内で産婦人科医療供給が崩壊する地域が広範囲に出現する可能性を示唆した。
今回のアンケート調査でも、「近い将来に分娩を中止する可能性がある」と回答した施設が、分娩取扱い施設の約3割にあたる15施設に上っており、金井講師は、周産期医療に関わる医師だけでなく、助産師や看護師、行政、地域住民などによる地域周産期医療対策会議を立ち上げる必要性を強調した。
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