ある産婦人科医のひとりごと

備忘録、テーマはいろいろ

福岡県産婦人科医会・日本産科婦人科学会福岡地方部会の抗議声明

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        抗議声明
福島県立大野病院産婦人科医師逮捕に抗議する

 はじめに、今回、この医療事故で亡くなられた患者様ならびにご遺族の方々に対し、心より哀悼の意を表します。
      
 平成18年2月18日福島県立大野病院の産婦人科医加藤克彦先生が逮捕・勾留され、3月10日に起訴されました。容疑は、平成16年12月前置胎盤で帝王切開術中、出血多量で死亡した件と、医師法21条による異状死体等の届出を警察にしなかったためとのことです。
  
[業務上過失致死容疑について]
 癒着胎盤を『予見できた』との当局の判断は、産科の専門医の考えに照らしてみて妥当とは思えません。何故、あえて刑事罰が科せられるか理由が見当たりません。医療上不可避なことまで刑事責任を問われるなら、医師は医療行為そのものが出来なくなってしまいます。

[医師法21条違反について]
 本件のような部分前置胎盤に合併した癒着胎盤による出血死は臨床的に『異状死』とみなさず、当然警察への届出義務違反には当たらないと考えます。

[逮捕・勾留について]
 私達は、現在医療過誤を巡り、関係者全員が納得出来る医療システムを国民・医療者・行政と共に作り上げようと最大の努力を払っております。そのような時に、今回のような逮捕・勾留・起訴は周産期医療のみならず、いたずらにすべての医療現場を混乱させ、さらには日本国民がよりよい医療を享受する機会を損ねる結果となり、国益に反する行為に他なりません。
 このような事態を避けるためにも、今回の逮捕・勾留・起訴に強く抗議します。

          平成18年3月15日

                福岡県産婦人科医会
                    会長  福嶋 恒彦
        日本産科婦人科学会福岡地方部会
                   会長  瓦林 達比古